400名ものオーディションから選ばれたキャストのひとりに、
演技未経験で挑戦した田中怜子がいました。

大阪から上京して参加したオーディション。
その日の夜。松居大悟監督は、合格の電話を掛けました。

「大阪に帰らず東京にいてください」

オーディションに立ち会ったMOROHAのMCアフロは、
松居監督のこの言葉が、
「遠郷タワー」をつくるきっかけになったと言います。

約2週間の撮影期間。
家が恋しくなり涙をにじませ、
同じ目標に向かう仲間ができたことを歓び、
「ここにいれて幸せです」と、言葉をもらした田中怜子。

74分ワンカットという挑戦を終えて、大阪に帰るその日。
新宿のバスターミナルに、
共に闘い抜いた仲間たちが見送りに行きました。
このジャケットの写真は、新宿の高層タワーから、
遠い故郷に思いを馳せているようにも感じる、田中怜子の横顔です。

撮影：エリザベス宮地